「聖火」サマセット・モーム
以前どこかのブログで見た。
(以下引用、要約)
*近代の短編小説にはチェーホフの系譜とモーパッサンの系譜がある。
*その系譜で言えば、モームはモーパッサンの流れを発展させた作家といえる。
*緊密に構成され、起承転結があり、小洒落た「落ち」が利いている。
緊密……。そうなりたい。本当にそうなりたい。なので読んでみた。
……恥ずかしい。読んでる間は構成のことなどすっかり忘れてた。夢中になって読んだ。三幕ものなのだが、特に一幕の終盤からは止まらない。確かにラストもしっかりしてる。本当のことを言っているのは誰か。考えさせられる。
だから思った。モームはすごい。冒頭で引き合いに出されたチェーホフも、いま少し戯曲を読んでる。ただ、以前から、自覚はあるが、チェーホフは、自分はあまり得意じゃない。読むという行為においては、モームの方に惹かれる。しかし。しかしよ。まだ確証はない。ないけど、「聖火」。もしかしたら。オチなどしっかりしすぎていて、もしかしたら、余韻と言えるもの、考えさせられるものは、チェーホフの方があるかもしれない。(……上演を見ないと分からないものですけれど。残念ながらモームの上演作品を見たことはない。。)