清水玲子の「月の子」が、アプリ「マンガPark」で2020年6月18日まで全巻イッキに無料で読めたので読んでみた件
清水玲子御大は読んだことなかった。読んだら……美麗!年寄りが言うのもナンだがため息が出るほど絵が美しい。そして(申し訳ないが)思ったより骨太。いや、面白かった。
少女マンガは好きだ。系統で言えば白泉社系だ。小学館もそれなりに読む。講談社と集英社の少女マンガはほとんど読まない。非日常系が好きなのだ……と思う。
しかし清水玲子は 読んだことがなかった。「月の子」を読んでから思う。申し訳なかった。すまなかった。そして現在も一線で描いておられるが、昔より、1990年代より、2000年代より、今現在の方がさらに「受け入れられる」作家さんなのかなと思う。
まああ本当に、絵がキレイ。そして挑戦的。読み始めた割と最初の方に、ニューヨークのビルの間を古代魚のような、シーラカンスのような巨大な魚が見開き一面で行き交う場面がある。シュールレアリスムの絵画だ。あんな絵を描くとき、作者さんは楽しいのだろうなあと想像する。
そして最後まで読んだ。骨太。意外なほどに骨太な結末だ。勝手に想像したもう一方の結末より、私たちがなにをやってしまったか。それを防ぐ手立てはなかったのか、そこから変わったか、考えさせられた。
昔……それこそ20年とか30年とか前、作品をチラ見したときは、やはり絵が美麗で、ある種生々しくて、それで苦手意識を持った。しかし改めて、他の作品も読みたい。