やっと見た。映画「新聞記者」。素直に面白かった。この題材で映画を作った製作者に敬意を表したい。
実際の事件を二つ、題材にしている。官邸が主導し、印象などを「操作」したとされる事件を二つ、並べた。あえて言えば、並べただけだ、とも言える。並べただけ、の映画を、いろいろな人が、いろいろな人が「扱うの大変そうなネタだ」と思う。評するのにも、言葉を選ぶ。無意識の検閲は既に存在している。
それはそれとして。
描くモノも、人も、事件も、最小限に抑えられていたのではないか。それでいて話を回すことが出来た、画面の絵にも力を感じたというのは、スタッフ陣に力があったということだと思う。贅沢を言えば、贅沢を言えば、だが。ちょうど、スパイものの傑作、ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」を読んだ直後に、見たのだ。そのせいか、映画としては、もう一ひねりあってもいいかと思った。思ったが、ひねったらひねったで小難しくなりすぎたかもしれない。
あと、本田翼は、良かった。それから、松坂桃李演じる主人公の最後の決断、推測される最後の決断に、個人的に、自分は、納得した、理解した、やむを得ないと思った。そう思わせたのは、役者・松坂桃李の勝利かもしれない。