【#読書】「都市」クリフォード・D・シマック。・・・あとに残されるのは犬。


1952年の作品。
今回はこれを読むつもりじゃなかった。
ブリッシュの「地球人よ、故郷に還れ」が読みたかった。
こちらも古い。子供の頃、早川のSF全集で読んだ。ハヤカワ文庫からも出ている。出ているが、この本も古い。図書館にもない。全集はあった。そして借りてきた全集の一冊に、「都市」も入っていた。
アメリカの”都市”の、千年、五千年にも渡る物語。一つの一族と一人のアンドロイド。時が過ぎていく中で、”都市”がなくなり、やがて人類もいなくなる。
「アメリカというのは基本的には田舎の集合なんだ。ニューヨークやロサンゼルスなんてのは異端だ」と誰かが言ってた。「保守的」な「田舎」が、テクノロジーの進み方によってどう変化するか、変化に抵抗するか。トランプの台頭のあと自分たちが見てるのは、いわば「田舎」のアメリカなんだと思う。意外と今日的な作品ではないか。昨年だったか。同じくシマックの「中継ステーション」が新訳で出版され、”今更シマック?”と驚いた覚えがある。文明をどう見るか、視点がだいじなのか。確かに「物語」はあっても「視点」のない、批評性の作品は多い。

 

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