【読んだ本】アンソロジーしずおか 純文学編 ”濃い昭和”と誰かが言った。

アンソロジーしずおか 純文学編

静岡新聞社から出版されている。静岡が舞台となった作品、のアンソロジー……なのか?
静岡新聞社は小さくない会社だろうが、「書籍」を「出版」するのは本業ではないはずだ。しかも小説のアンソロジーだ。“わたしたちもちょっとは小説のことを考えてますよ”という感じの気配りに思えてうれしい。

”静岡にゆかりある短編・掌編を集めたアンソロジー。掲載作家は、大岡信、梶井基次郎、太宰治、藤枝静男、吉田知子、三木卓、泉鏡花、内田百閒、川端康成、坂口安吾、三島由紀夫、庄野潤三、小川国夫、解説三木卓(掲載順)著名作家が作品を多く残したことで知られる静岡だが、本書では、それぞれの作家の隠れた名作ともいえる小品を掲載した。”
とのこと。

そのなかで、印象に残った作品は
「お供え」吉田知子
「一家団欒」藤枝静男
「月澹荘綺譚」(げったんそうきたん)三島由紀夫

静岡のパブリックイメージに反して、こちらをザワザワさせる作品が多い。読書会では”血なまぐさい”と表してしまった。とはいえ自分が選んだのも、その中でもザワザワさせる作品ばかりだ。自分が読んだものにはなかったのだが、帯には「おだやかだなんて、真っ赤な嘘」とある。わざと選んだのか。わざわざそういうものを選ばんでもええじゃないか。
とはいえ、吉田知子さんの「お供え」を読めたのは良かった。おそらくアンソロジーのなかでいちばんの唐突な終わり方だ。筒井康隆の短編のようで、これも小説の可能性なんじゃないか。

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