前回、
「世界大戦の中で、パイロットとして飛んでいたサン・テグジュペリは、王子さまのお話を楽しく終えることは出来なかったのかもしれない。しかし悲しみの中でも、王子さまの言葉には生きることの輝きが詰まっていた。芝居を見て、思った。」
http://gogozi.exp.jp/2018/12/09/4405yakan/
なんつって、わりとキレイにブログを終えた。
でもさしかし、やっぱり人生そんなにキレイには終われない。
なぜか。
宮崎駿の短文だ。
新潮文庫版の「人間の土地」には、実は宮崎駿の短文も収められている。
「空のいけにえ」と題されたこの短文の中でハヤオは、飛行機への愛と、そして自らの矛盾を書いている。
中でも”自分の職業は……”と始まる一節は、インタビューなどでそんなことを言っていた気がするが、「風の谷のナウシカ」マンガ版中盤からの、宮崎駿の懊悩を象徴するような言葉だと思う。……ハヤオも苦しいのだ。涙なしには読めない。
サン=テグジュペリもいろいろと矛盾を、特に女性関係で懊悩と矛盾を抱えていた人らしい。実は台本のネタにしようと思って少しこの人のこと調べたことがあったのだけど、伝記を読んで「……扱いきれない!」と止めた。
しかしいま、このメモを書いていて思ったけど……彼は別に、自分で、自分のことを、「王子さま」だと言ったわけではない。
と思う。
”なにを言ってるんだお前は”と、思われるかもしれないが。
そうかもしれないが。
もちろん作者の心情はパイロットに、それから王子さまに託されてるんだと思う。多く託されてるんだと思う。けど。
おじさんや、王様や、うぬぼれ屋も作者の一部なのかもしれない。作者に嫌われてたかもしれないけど、思われてるより広い面積を、作者の心の中で締めていたのかもしれない。
思い込みだろう。しかしそう思うと、もはや王子さまから遠い遠い処へ来た自分は。
やっと安心して。
この作品を読むことが出来る。