読んだ本 「七時間半」 獅子文六。キーファー・サザーランドも驚け(笑)ニッポンの「軽い」文学の再評価

七時間半 (ちくま文庫)

獅子文六である。昭和の文豪……というとちょっと違うか。昭和の大衆小説家。いいぢゃないか大衆小説家。小説を面白くする、その要素を知りたいのだ。戦前~昭和40年代まで活躍した作家だ。ちょっと前までは忘れられていたが、このところ再評価されてきている。去年NHKで長編がドラマ化された。そうだユースケ・サンタマリア主演だ。面白いから再評価されたのだ。そうだ獅子文六である。瀬戸わんやではない(いみふめ)。

東京ー大阪間が、電車で7時間半かかっていた頃。特急列車「ちどり」を舞台にしたドタバタ劇。ウェートレスと食堂車のコックとの恋に、割り込もうとする美人乗務員(現在のCAさんをイメージしてください。そういえばCAって何の略だっけ…)とその美人乗務員を射止めようとする男たちが絡む。登場人物の思惑がダダもれで、浅田次郎の物語の様にひろがる、思惑というより妄想が物語を転がしていく。このあたりは実物をお読みください。

結末は意外だった。お涙頂戴にも出来たはずなのに作者はそれはしなかった(個人の感想です)。”文豪”にならなかった作者の矜持なのか、と思ってしまったりする。

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