舞妓さんというのは京都にしかいないと思ってた。
日本のごく一部にほんの少ししかいない、まるでパンダ……では少なすぎるかもしれないからジャイアントパンダではなくレッサーパンダ、そんな存在だと思ってた。
しかし、清水にもいるのだ。レッサーパンダではない。日本平動物園のアレではない。「芸妓」さんと呼ばれるのか?見た人間から話を聞いた。新しく入門する人もおられるらしい。こういうページもある。
いや、本題はそこではなく。
このマンガが、とても淡々と進んでいく。
説明のためのセリフが非常に少ない。地味だ。間違っても「舞妓さんになるための死力を尽くしたバトル!」といった展開にはならない。しかし惹きつけられる。この作品が、女性誌ではなく、マイナー誌でもなく、落ち目とは言え大メジャー少年マンガ誌である、少年サンデーで連載が続いているのは不思議だ、という話だ。
少なくとも1巻では、この少女は何者なのか?少女の背景はなんなのか?語られないためにかえってそれが気になる。1巻のなかで理由は説明される。説明されるのだけど、そしてこれは、こちらの勝手な妄想だけど、語られている以上にその”欠落”は大きいものなのではないか?それは実は普遍的なもので、読んでるこちらの”欠落”を映し出す、そんな作品なのではないか。いやほんとうに妄想だし、まだ1巻しか読んでないのでそもそも語る資格はないのだけど。