東京創元社ホームページより、内容紹介
シリア内戦下、政府軍に包囲されたダマスカス近郊の町ダラヤ。死と隣り合わせの日々の中、地下に秘密の図書館を作り、本に希望を見出した人々を描く、魂のノンフィクション。
あらためて、「戦争」は、現代日本の私たちには遠い。私にとって「戦争」は、フィクションの中のものだ。
誤解を怖れつつ言えば、私たちは本を読んで「戦争」を夢見る。
シリアの、この街の人たちは、本を読んで「平和」を夢見る。
この本についての書評の中で、「戦時下の日常を活写した」という言葉があった。その”日常”が、本が進むにつれて壊されていく様子が怖い。ニュースなどの細切れの映像でなく、こうやって時系列でそれなりの分量を読んでいくと、アサド政権によるシリア市民への弾圧は相当のものだったのだと思い知らされる。
封鎖された現地に入ることが出来なかった著者は、スカイプなどで現地とやりとりをしたのだそうだ。
ユーモラスに感じてしまったのは、現地の人が、図書館で読んで感銘を受けた本のひとつとして挙げていたのが「7つの習慣」だったこと。……最強だな「7つの習慣」。胡散臭いと思っていたのだが、読みたくなってしまった。取りあえずWikipediaで、7つの習慣を調べた。