読んだ本 「ベケット巡礼」堀 真理子。

ベケット巡礼―In Search of Samuel Beckett

 

作品紹介より。

祖国を捨て、旅を人生とした。
暴力を憎み、レジスタンスに身を投じた。
友人を愛し、様々な才能と交差した。
人生を探り、その不条理を描き出した。
言葉を否み、語り得ぬものを語った。
20世紀の巨人サミュエル・ベケット生誕100年、その苦闘の足跡を追う。
ノーベル賞作家ゆかりの地を巡り、その作品と生涯、影響力、日本とのつながりを概観した総合的ベケット入門。

良い本でした。
「ゴドーを待ちながら」のベケットについて知ったかぶりはできないので少しだけ。
自分は、敬遠していた。
ベケットや、この本にも出てくるブレヒトや別役実。この辺の人たちを。「知的」と言ってしまえばいいのか、そんなレッテルを着けた小難しいものとして。
「知的ゲームを説いているようなものではないか」と。
全然違う。赤面してしまうぐらい違う。
生の言葉で生々しく、時代を批判し、抵抗してきた作家。
しかし。
自分も無知ではあるが、まったくなにも知らなかったわけではない。
恥ずかしいから弱々しい声で言うが、自分と同じように「小難しいものだ」と思っている人もいるだろう。いると思う。(いないかしら)
まあ。この本によると、ベケットは次作の改変にはことのほか厳しい人だった。上演中止に追い込まれた作品もいくつかある。だから、時代に合わせた演出のアレンジも難しいかもしれない。それにしても。演劇を伝えていくのは難しい。

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