読んだ本 都筑道夫「黄色い部屋はいかに改装されたか」(フリースタイル)……オペラ座の怪人……(笑)。

黄色い部屋はいかに改装されたか?増補版

この本は、推理小説の専門誌、ハヤカワ・ミステリ・マガジンに何ヶ月かにわたって掲載された二つのエッセイ「黄色い部屋はいかに改装されたか」(1970年10月号~1971年10月号)、「私の推理小説作法」(1974年4月号~12月号)が主になっている。
自分の理解では、「黄色い部屋はいかに改装されたか」は思想的な提示(笑)。”本格推理小説”といわれるものの要件についての論だと思う。どのような条件を満たした作品が本格推理小説と呼ばれるか。本格推理小説と名乗るにはどのようなことを考えるべきかということが語られている。
つぎの「私の推理小説作法」は、これも自分の理解では、実践編だ。都筑道夫さんご本人が、どのようなプロセスで短編(長編)を書くか。ご自身の「退職刑事」というシリーズのうちの一つの短編をどのように構想し、どのように書いたか、かなり詳細に書かれている。
どちらのエッセイもかなり以前に書かれたものだ。しかし書かれていることに古さはないように思う。自分は本格ものは好んでは読まない。ただ、本格推理小説について誰かが何かを論ずるときにはこの本が多く引き合いに出される。この本は作家論でも思想論でもなく、技術について書かれているのではないか。本格推理小説を、本格推理小説として成立させるための技術について。だから古びないのではないか。
一応、タイトルの由来について。古典的な、ちょー有名な”本格”、”密室”推理小説で「黄色い部屋の秘密」という作品がある。百年前の作品。そこから今日まで、推理小説の中の”謎”が、あるいはその提示方法がどのように「改装」されてきたのか。そのような意味のタイトルだと思う。「黄色い部屋の秘密」の作者、ガストン・ルルーは、「オペラ座の怪人」の原作を書いた人だったりする。演劇の人向けの小ネタでした。

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