読んだ本 都筑道夫「拳銃天使」

拳銃天使 (都筑道夫少年小説コレクション (6))

探したら、県立図書館に都筑道夫さんの、少年小説コレクション「拳銃天使」という本があった。赤い、鮮烈な装丁。借りた。
拳銃天使。
このタイトルだけで素敵だ。荒唐無稽な。無責任の匂い。
都筑道夫さんの「なめくじに聞いてみろ」「暗殺教程」は素晴らしいアクション小説だ。映画「ミッションインポッシブル」あたりが好きな方にはおすすめする。大好きな小説だ。
つまり。
大都会東京のど真ん中で、テンガロンハットをかぶってガンベルトを巻いた典型的なマカロニ・ウエスタンスタイルのガン・マンがナイフを持って「(俺は)天使だ」と言っているわけだ。
すごいよ。
これを読んだときに感じた、自分の脳内に浮かんだ”すごい”感を、日本語に翻訳してみるととりあえず、以下の二つになる。
A.
アメリカとの首脳外交が行われている首相官邸の晩餐会の会場で、コース料理が終わりに差し掛かりデザートとなったところで、なまはげの人たちが500人ぐらい会場に押しかけて、「悪い子はいねぇか!」となまはげなまはげしたあと、ふところの中からデザートを取り出して「いちご大福だ!」と叫ぶ。
B
夜中のコンビニでどてらを着た浪人生が成人雑誌に手を伸ばしたところ、いきなり頭かくして体かくさずの”けっこう仮面”スタイルの女性が目の前に現れて「コンビニポルノだ!」と叫んで成人雑誌を手渡して去っていく。

というシチュエーションを思いついたのだけどどちらがいいだろうか?(なまはげの皆様、心よりお詫びいたします。)

小説「拳銃天使」は、この後にも爽快なアクションが次から次へと出てくる。登場人物の内面の描写なんてない。なんにもない。その代わり”いかに敵を襲うか”、そして”いかにして襲ってきた敵を倒すか”。これについての工夫が山のように出てくる。小説の面白さとはこういうところなんじゃないかと思う。

解説に出てくる都筑道夫さんの文章では、アリステア・マクリーンが引き合いに出される。しかし、マクリーンでも「重たい」らしい。都筑道夫さんの一連のアクション小説ぐらいに「軽やかな」アクションが「密度高く」詰め込まれた小説は、自分は、高千穂遥の「クラッシャージョウ」あたりしか思いつかない。何かあったら教えていただきたい気もする。

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