岸田国士戯曲賞(通称、岸田戯曲賞)は「演劇界の芥川賞」と言われる有名な賞だ。あくまでも「芥川賞」であって「直木賞」ではない。直木賞は基本的にはある程度、売れた作品に贈られる賞だ。演劇界では戯曲が売れることはない。ああ。
しかし岸田戯曲賞は有名な賞だ。井上ひさしも野田秀樹も松尾スズキもみーんな受賞している。
こないだ、第61回の発表があった。リンク先の記事は、賞の発表の前に、候補作の紹介と受賞作の予想をしたものだ。本家の芥川賞・直木賞の発表の際も受賞作の予想記事が出る。それと同じようなものだ。(ちなみに、前回の直木賞の予想記事、自分が読んでいたものでは受賞作、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」を当てていた。パチパチパチパチ)
ジャンルもおもしろみも多様な8作品――第61回岸田國士戯曲賞予想対談
山崎健太(演劇研究・批評)×落雅季子(劇評家)
芥川賞・直木賞についての記事は流石に手慣れたものだ。予想者の本命や好き嫌いはあるとしても、作品をけなすことはない。リンク先の記事は……演劇人の悲しさか。作品にキツイ言葉を述べているところもある。読んでいて楽しくない部分もあり、記事として惜しいと思う。が、この記事は貴重だ。有名な賞だが、岸田戯曲賞にひとがふれる機会はとんでもなく少ない。期間限定だが、候補作品を読めるサイトもあった。本番前の忙しい時期で、読めなかったのは残念だ。だが、記事も候補作が読めたということも、面白いチャレンジだ。次回にもその機会が欲しい。今度は読む。候補作品を。