「バイド・パイパー」間違い!→「パイド・パイパー」でした大恥(笑)

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読書談義用のメモから
「パイド・パイパー」 ネビル・シュート 池央耿 訳(創元推理文庫)

あらすじ
時は1940年夏、現役を退いたイギリス人老弁護士ジョン・ハワードは、傷心を癒すためジュラ(スイス)の山村へ釣り竿一本下げて出かけた。しかし、懸念されていた戦局がにわかに緊迫度を高め、突然の帰国を余儀なくされたばかりか、ジュネーヴの国際連盟に勤めるイギリス人の子供二人を預かって帰る羽目に陥った。だがハワードの運命はそれだけにとどまらなかった。途中で世話になったホテルのメイドの姪や両親を失った孤児など、次々と同行者の数は増えていく。戦火の中を、ひたすらイギリスを目差す老人と子供たち……。

評価
「オールタイム・ベストの上位に登場するような作品ではないが、名作を紹介する本などにはよく登場する。名前を知っていたので買ってあったが、積読状態だった」(岡)
米澤穂信氏推薦――「ひとしずくもたらされる善意。その尊さが、胸に迫る。」
宮部みゆき氏推薦――「気骨あるおじいちゃんと、健気で可愛い 子供たちの大冒険。たまりません。」(以上、創元推理文庫HPより)
北上次郎→「(前略)今だからこそ、本書は実に胸にしみるのである。この奇妙な話が、ではなぜ胸に残るのか。その理由を書くことで解説に代えたい。」(文庫版解説より)

アピールポイント
戦場からの逃避行
子供たちに振り回される老ハワードのおかしみと逃避行のシビアさ。
(助けてくれる人、助けてくれない人……)
ひとり増え、二人増えていく子供たち(最終的には7人!)。
ハワードの”責任”の取り方。
共に道行くことになる、ニコルとの「再生」。
最後のニコルの言葉。

「責任」について。ハワードの内省から。
P80
恐怖は乗り越えなくてはならない。子供たちは彼の責任である。病気であろうがあるまいが、そのことに変わりはない。それこそが、責任を負うということではないか。考えるまでもない。子供たちを引き受けたときには思ってもみなかった困難が待っているとしても、いったん負った責任は最後まで果たさなくてはならない。

この言葉が胸に染みた。
イギリスの冒険小説、ライアルやヒギンズの背骨にも、このような考え方があると思います。
特にライアル。マクシム少佐シリーズの第一作「影の護衛(“The Secret Servant”)」の冒頭、”公僕(Public Servant)”について、同じようなことが語られていたような記憶があります。
アメリカのハードボイルドの根底に流れる”騎士道精神”と、少し違うようです。イギリス人特有の考え方なのか……。
「冒険小説」と「ハードボイルド」の違いは、こういうところにあるのかもしれません。
これは「冒険小説」の根本にある考え方のように思え、この文章を見つけたとき、うれしかったです。

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