ブログ更新 しつこいようだが「飛ぶ教室」について

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読み終わって、取りあえず感想を書いて、日付が変わらない内にと慌てて感想を書いて、しかし引っかかっていたところを考えて、考えてまた書く。ふだん気をつけているのだけど今回はネタバレになってしまうかもしれない。だから読まないで。「飛ぶ教室」未読の方は読まないで。読んでしまった方はぜひ読んで。
(ひととおり書き終わって。完全にネタバレしてます。以下「飛ぶ教室」未読の方は本当に読まないで……)
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マルティンが、正月の間家に帰れないというだけ、と言えばそれだけじゃないか。そう思ったのよ。
15,6ぐらいにはなっているのだろう。それが一冬、家に帰れなかったというだけでそんなに寂しいか、と。
ただ、その場面での「悲しみ」やそれがひっくり返ったあとの「喜び」には、素直に感動した。
だからよけいに、なにかしら「落差」のようなものを感じた。なにか納得がいかない。
「ケストナーの生涯」高橋健二さんが書いた、ケストナーの伝記を読んで思った。もっといろいろなものが、込められているのかもしれない。
自分の家族の貧しかった生活の。軍隊での理不尽なしごき。あっという間にドイツを覆ってしまったナチズムの影、そこからくる不安。
マルティンの悲しさの中には、そんなものが全部叩き込まれているのかもしれない。だからこの小説は美しいし、救われるのだけど、それでもどこかしら悲しいのかもしれない。隠れているなにかが、大きすぎるから。

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