垂壁のかなたへ | |
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スティーヴ ハウス 海津 正彦
白水社 2012-04-24 |
美しい本でした。
登山の記録です。
著者は「世界最強のアルパインクライマーの一人」ということ。しかしこの著書は、登頂の成功を語る本ではなく、どちらかといえば、失敗とためらいの描写の方が多いような気がします。一度読み終わってから、最初の方を少し読み返したら、前書きにその理由も書いてありました。本当に飾らない方です。
「ためらい」などと書きましたが、けど実際には心理描写はそれほど出てきません。
行動の描写、行動の描写、行動の描写(笑)。とにかく山に登って、降りての繰り返しです。ただ、たまに心情が出てくる、それに惹きつけられる(笑)。329ページの語りなど、やはり美しいと思います。この方とお友達になりたいなあ。
本番が終わって、最初に読む本になったわけですが、この本にして良かったと思いました。