上海1930年 (岩波新書) | |
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尾崎 秀樹
岩波書店 1989-12-20 |
調べものをしています。そのための資料として、何の気なしに読み始めました。
……そうだった……。文芸評論家の尾崎秀樹さんのこと、その縁者の尾崎秀実さんのことも、多少は知っていたのですが、読む前はすっかり忘れていました。
そうだ、尾崎秀実がスメドレーやゾルゲに会ったのは、上海でした。だから、尾崎秀樹が上海のことを書けば、当然そういうことは出てくるわなあ。いや「出てくる」程度ではなく、「上海での尾崎秀実」を中心とした本のようです。多少読み進むのに、気が重くなりました。
一応。
ゾルゲ事件というのは、第二次世界大戦直前に明らかになった、スパイ事件のことです。尾崎秀実は、1941年に逮捕されました。
この本には、書名にあるように1930年前後の上海のことが描かれています。筆の運びは淡々としています。印象に残ったのは、魯迅の強靱さ、それとこの時期の上海の演劇事情。日本の新劇界ともつながりがあったようです。
全体としては淡々としていて、とりとめがないようにも読めます。「淡々としていてとりとめもない」などというとつまらない本のように思えるかもしれませんがそんなことはありません。上に書いた背景のことを、もしかして読み手の自分が意識しすぎているのかもしれませんが、この本の場合、淡々としていることが誠実さのように思えてしまうのです。
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