月をめざした二人の科学者―アポロとスプートニクの軌跡 (中公新書) | |
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的川 泰宣
中央公論新社 2000-12 |
副題のとおり、アポロ→フォン・ブラウン、スプートニク→コロリョフ、この二人の科学者を描いたノンフィクション。思ったより人間くさい内容で楽しめました。
NHKの、コロリョフについての番組を見て、この本を図書館から借りてきました。的川さんの本は読むのは初めてです。
コロリョフのことは何も知りませんでした。読んでよかった。
フォン・ブラウンもコロリョフも、粘る粘る(笑)。そうでなかったら、莫大なお金を引っぱってきて、あんな巨大なものを作る、なんてことはできないわけですわな。
それと。
フォン・ブラウンはナチス・ドイツでV2ロケットを作ったあとアメリカでロケットを作ったわけですが、戦後、ナチス・ドイツでロケット兵器を作っていたことを、何度も批判されたそうです。アメリカで。そしてフォン・ブラウンは、その批判に対して丁寧に対応したとのこと。この本でも、冒頭で著者によるその種の疑問があり、フォン・ブラウンがそれに答えた言葉も載っています。
永いこと、うっすらと疑問だったのです。ナチス・ドイツからアメリカへ、「簡単に鞍替えできたのかしらん?」と。フォン・ブラウンにとってもアメリカにとってもその他の人々にとっても、葛藤があったのだということが分かりました。納得しました(が、そういうことについての本ではないので、そんなに細かく書いてあるわけではないのですね。岡の理解は勘違いかもしれません。もう少し知りたいと思いました)