「夏のエンジン」 矢作俊彦

夏のエンジン (文春文庫)
夏のエンジン (文春文庫) 矢作 俊彦

文藝春秋 2004-11
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 文庫本になったときに、すぐに買ってすぐに読んだ。いま奥付を見たが2004年だ。そのときは面白くないと思った。自分は矢作さんのファンだ。ファンだから、矢作さんには当たり外れがあってもかまわないと思っている。だからこそ矢作だ、と。矢作俊彦は矢作俊彦だ。「コルテスの収穫」は上巻、中巻が出てから二十年経つのに下巻は出てないが、(そして本人は書く気がないらしいが)それでも矢作俊彦は矢作俊彦だ。われわれは黙ってついて行くしかない。
 で、読み返した。読み返した理由は、電子レンジを買い換えたからだ。電子レンジを買い換えたので、置き場所を変えた(正確に言えば、置き場所を変えるために買い換えることになったのだがそんなことは蛇足だ)。コンビニの弁当を入れる電子レンジのすぐ横に矢作俊彦があったというのも可笑しいが、それも蛇足だ。
 で、読み返した。読み返したら、面白かった。「冬のモータープール」「バンドワゴン」「大きなミニと小さな夜」「サンダーボルト・ホテル」特に後半の四編が響いた。もしかしたら、「マイク・ハマー~」から距離の遠い四編、かもしれない。
 なんで面白く感じたのだろう?なんであのときは面白く感じなかったのだろう?仕方がない。矢作俊彦は矢作俊彦だ。われわれは黙ってついて行くしかない。矢作俊彦は矢作俊彦だ。魔法のひとつふたつ使ったって、不思議はない。
(今回久々に、文章がえらく気取ってるなあ・・・矢作さん読んだ直後だから、仕方がないか・・・さっき「マイク・ハマー」って変換したらうちのATOKは「マイク・浜-」と出してきました馬鹿者!)

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