「魅せるひとの極意」

魅せるひとの極意
魅せるひとの極意 asta*編集部

ポプラ社 2009-06-03
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 インタビュー集。「本を自分の糧にしてきた15名のたいせつな一冊からプロフェッショナルの奥義に迫る」と、帯に書いてあります。ありますが、いい意味で奥義にはそれほど迫ってないと思います(笑)。それよりもっと大事な、各人のひろがりについて迫っているような。
 蜷川幸雄さんの言葉からは相変わらずの血のにじみ方を感じました。
 それと、柳家喬太郎さんは、都筑道夫さんの「黄色い部屋はいかに改装されたか」をあげておられて、「落語家の方も物語を組み立てるんだ」と考えてみれば当たり前の事を気付かせてくれました。落語の聞き方が変わるなあ。その前に最近ぜんぜん聞いてないなあ(笑)
 もう一人、最相葉月さんのインタビュー。サン=テグジュペリの伝記、それから、サン=テグジュペリの奥さんの回想記をあげておられました。サン=テグジュペリの奥さんは、「星の王子さま」の〈わがままな薔薇〉のモデルになった方だそうです。
 以前ちょっとだけ、台本の中でサン=テグジュペリを取り上げた事があります。そのとき自分が読んだ伝記では、残念ながら自分としては、サン=テグジュペリにそれほどいい印象が持てませんでした。ただ「いい印象を持てなかったサン=テグジュペリ」と「夜間飛行」などの作品から受ける印象がどうも一致しないのですね。最相さんがあげられたサン=テグジュペリの伝記は自分が読んだものとは別のものです。また、奥さんの回想記は比較的最近刊行されたもので、そこから分かった事もたくさんあるとのこと。それらを読めば、またちがった印象を持つのかも知れません。

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