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環境と欲望―東京環境会議 小林 武史 AP BANG! ポプラ社 2008-07 |
環境を守りたいな、という気持ちは、それは、それなりにある。しかし人並みというか、いや人並み以下だと思う。
むかし、酸性雨の話はすごく怖かったし、ゲリラ降雨の話だって怖いと思う。
けど、自分の手の届く範囲の値段だったら、地球の裏側から、大量の石油燃料を使って運ばれてきた食材だって食べたいと思うし、そうだ、ウチのパソコンは24時間電気をつけっぱなしだ。サーバーでもないのに。そうしておけば、思ったときにすぐに使えるから。
「環境」と「欲望」
対立するものだと思う。対立してるというイメージがすり込まれてる。**だから**しちゃいけない、というイメージが。でも、対立させておいて、いいのかねえ?ここ一、二年ほどの経済の流れを見ると、欲望は欲望で否定しっぱなしではまずいような気もする。それまあ、メキシコ湾の原油流出なんかはやっぱりいかんけど。欲望を持ちすぎても、まずいけど。
それともうひとつ。
「あれがほしい、これをしたい」という気持ちとは別に、たとえば「電気消すのめんどくさい」とか「ゴミの分別めんどくさい」とか、そういった気持ちは間違いなくある。書いてて恥ずかしく、また情けなくなってきたけど間違いなく、ある。自分について言えば、欲望よりも強い、かもしれない。これは欲望ではない。この「めんどくささ」に名前をつけるとしたら、どんな言葉になるんだろう。