グローバル資本主義の未来―危機の連鎖は断ち切れるか | |
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いい本でした。NHKので以前放送していた「地球特派員」という番組で、そのときに取材をされた方のレポートがまとめられています。帯には
「世界金融危機の下であえぐ世界をとらえることが、この本の課題である。(中略)それがどのように人々の暮らしを壊してしまったのか、現地調査を踏まえた実情が報告されている。金融崩壊によって世界がどのように、どこまで壊れてしまったのかを考える試みだ。」とあります。
金融危機で、壊れてしまった世界の、ショックについて語られることは多かったけど、どう壊れたか、あるいは壊れなかったかという視点の取材は意外と少なかったように思います。七つほどの地域、国についてのレポートが収められているのですが、それらが平行に語られることで、「グローバル資本主義」(なんとなく気恥ずかしい言葉ですが)の実態、地域と地域がどのように絡み合っているかということが、地域一つ一つのレポートを読むより、印象として複合的に迫ってくるような気がします。
藤原帰一さんと、伊藤洋一さんの文章が特に面白かった。