と、ある本を読む。

 新作の準備をしている。
 そのために読んだ本なのでタイトルは内緒だ。つーか本当は読んだことを書くつもりはなかった。ただ、いい本だったので。泣いてしまったので(笑)。
 訳者あとがきにも書いてあったが、この本はひと組の夫婦の成長物語(いや、物語じゃないけど)でもある。自分がもうちょっと年をとったときに、あんなふうに落ち着くことが出来るかはなはだこころもとない(笑)。
 この本がどういう結末を迎えるかは、手に取った瞬間から分かる。生き物の記録であるわけだから、最後は当然、その生き物と分かれるときだ。後半四分の一を読むのが、ある意味でつらかった。けれども、その生き物が老いていく様子は、醜いけれども荘厳に思えた。老いることも、老いることをヒトにさらすことも、意味があるのではないかと思わせてくれた。

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