野田秀樹 赤鬼の挑戦 | |
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野田 秀樹 鴻 英良
青土社 2006-08 おすすめ平均 |
こないだ稽古で、野田さんの台本をネタに使いたいと思って、積み上げてあった書物の中から、この本を引っぱり出しました(笑)。
「赤鬼」のロンドン公演と、タイ公演の記録、というよりは感想といった感じでしょうか。半分ほどがインタビュー、いや対談か、という構成になっているため、野田秀樹のとらえる「アジア」「異国」「演劇」とはなにかを掘り下げる内容になっていると思います。大仰には語られてはいませんが、特に”演劇の本場”ロンドン公演には苦労がおありだったようです(この辺は、村上龍の、アメリカで映画を撮った記録「KYOKOの軌跡―神が試した映画」にも通じるところがあります)。いま自分の新作を準備しているところなのですが、ちょうどいいときにちょうどいい本を読むことが出来たという気がします。
ところで、野田さんはいまだに、日本の演劇の「本流」ではないわけですよね。それがいいとか悪いとかということではないのですが、だとすると日本の演劇の「本流」、もしくはみんなが「本流」だと思っているもの、っていったい何なんだろう、とか思ったりしました。