パンドラ抹殺文書 | |
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マイケル バー=ゾウハー Michael Bar‐Zohar 広瀬 順弘
早川書房 2006-03 |
懐かしいですね~。まさかこの本を「新刊で」見ることが出来るとは思ってませんでした。読んだことは、ないんですけど。谷島屋の平台で見たときはそっこーで買いですよ、買い(笑)。
昔のハヤカワの巻末の文庫紹介では、やたらとこの本の名前が出てきましたよね。一度見たら忘れない名前でしょ。仰々しくて(笑)。
読んでみたら、構成あらっぽくて、なにせ主人公3分の1ぐらいまで出てこないし。どなたかも書いておられましたが、意外とハーレクインだし。でも、面白かったですね。著者は、もともとイスラエルのジャーナリストで、後には国会議員にもなったそうです。この本には、メッセージなどかけらもないとは思いますが、後ろにはなにかの「想い」はあるのかもしれません。そういったことが骨太な印象を与えるのでしょうか。
にしても、気のせいでしょうか、一昔前のエンターティメント小説の方が、いまのそれよりもよく人が死にます(笑)。いや、いまの小説だって人はたくさん死ぬけど、死に方に意味を持たせようとするというか、一つ一つの死を丁寧に扱うというか、その分小説が重たくなったりもするんですが。この本なんかだと、あっさりと人が死ぬ(笑)。ただこっちも、その辺で面白いと思っちゃったりしているんじゃないかと。それもどうかな。