「チェーホフの戦争」 宮沢章夫

チェーホフの戦争 チェーホフの戦争
宮沢 章夫

青土社 2005-12
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 この本を静岡市立図書館から約5ヶ月ぐらい借りっぱなしにしていたのは私ですごめんなさい。しかしきっぱり否定するけど延滞じゃあない!(ほとんどは)借り手は返しては借りなおしてはの繰り返し。そうまでして読みたかったのかとわれながら感動するけどそんなことしてないで早く読んだらいいじゃねえかという心の声も聞こえてくる。そらそうだ。
 「チェーホフの戦争」というタイトルから、たとえば藤原帰一さんの著書のような”戦争”についての本かとも思ったのだけど、読んでみたらそんなことはなくひじょうにまっとうな”チェーホフの読み方”についての本だった。しかし、最後の三人姉妹の章では、三人姉妹というお芝居について読み解きつつ「チェーホフの戦争」というタイトルに立ち返っていく。その辺が見事だと思う。
 自分は、チェーホフは得意ではない。とくに三人姉妹は、どうもよく分からなくてつまりあの三人の姉妹に対し、なぜあんたたちは動かないのだと(笑)、そんなにいやならモスクワでもどこでも行けばいいじゃないかと(すいませんっ!)どうも思ってしまうのだけど、この本を読んでちょっと理解できた。宮沢章夫は三人姉妹というお芝居の中に、あからさまではないが常に重奏低音で流れているひとつのテーマを指摘し、そのことでこちら側に問うてくる。「ならば君らは動けるのか」と。
 読んでよかった。5ヶ月かかったけど(笑)。

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