楽園の泉 | |
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アーサー・C. クラーク Arthur C. Clarke 山高 昭
早川書房 2006-01 |
まー、 傑作。
わたくしもネタに使ったことがあるのですが、 「宇宙エレベータ」もの。
こちらが元祖でございます。
シェフィールドの 「星々に架ける橋」 も 同時期のようなんですが、 やはり、 クラークが使ったからこそ、 ネタとして広まったのではないかと思います。 とりあえずシェフィールドの方は、 ヒューゴー賞もネビュラ賞も、 取ってないし(笑)、 この「楽園の泉」のように 復刊もされてないし(笑)。 (「星々に架ける橋」小説としては、すごく面白い作品です。エンターテイメント性が高く、その当時のSFMの書評では「ルパン三世のようだ」という言葉もありました。読んでみたらその通りでした)
事実とは違うことを百も承知でいえば、 やはりSFというのは、 クラークとハインラインとアシモフで始まり、 そして、 クラークとハインラインとアシモフで 終わってしまうのではないか(笑)。 (あれ、クラークって死んでたっけ・・・?いや、死んでないよ、死んでないはずだけど・・・ごそごそごそ・・・死んでないよ!死んでない。死んでないったら死んでない(笑))
しかし、 解説にも少しそんなようなことが書いてあるのですが、 クラークという人は、 ある意味で人間というものの半分ぐらいの側面しか描いていないわけで、 だからこの本の中にも、 「そんなにあっさりとは・・・進まないんでないかい?」と思ってしまうようなところがあったりします。 そして、 演劇というのは人間の、「楽園の泉」にはおもてだっては登場しないような部分について、主に取り扱う表現形態なのではないかという気がします。その辺で自分はけっこう四苦八苦しているわけです。
ただ、こういう本を読むと、 「こっち半分だけでも、別にいいんじゃなかろか」 と、思ったりもします。 神様、わたくしは間違っているのでしょうか(笑)? 岡 康史@劇団午後の自転