ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟

ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟―マリインスキー劇場のサバイバルと挑戦
ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟―マリインスキー劇場のサバイバルと挑戦 ジョン アードイン John Ardoin 亀山 郁夫

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 例によってゲルギエフという人のことはほとんど知らない。
 ロシアの指揮者で、NHKの画面で見るかぎりエネルギッシュで、汗振り飛ばさんばかりに指揮をしていて、そういえば少し渡辺いっけいに似ている、ということぐらいしか知らない。たしか今年、アクトシティに来ていた。行っときゃよかった。
 汗振り飛ばさんばかり(というか、間違いなく振り飛ばしている)の指揮ぶりを思い出して、図書館で目についたこの本を借りた。それに副題が、”マリインスキー劇場のサバイバルと挑戦”だ。現代の劇団は常にサバイバルを考えなければならない。寝ても覚めても。トイレの中でも。
 読んでみたら、半分ぐらいはロシア、ソビエト、そして現代に至るまでのサンクトペテルブルグ(つーかレニングラード・・・アラベスク(笑))における劇場の歴史の記述だった。ゲルギエフについての文章は思ったよりも少なかった。けれども決して期待はずれとかではなく、むしろ思いがけないところで、ロシアの音楽やバレエの歴史にふれることが出来たという喜びの方が大きかったかもしれない。音楽もバレエも基本的には門外漢なのだが、ヌレエフやバランシンといった点でしか知らなかった名前が、自分の頭の中で、歴史という流れの上ではじめてつながりはじめたという気がする。
 興味深いのは、著者のゲルギエフのコンサートに対する評価で、よかったときはよかったと書くのは当然だとしても、悪かったときも、かなりはっきりと悪かったと書いてある。少なくとも「ああ、よくなかったのね」と察せられる書き方をしてある。小心者の日本人としてはそんなこと書いていいのかおいと思ってしまうのだけれど、しかし、大指揮者といわれる人でもよいときも悪いときもあるということで、申し訳ないけれどちょっとホッとしてしまったのも事実だ。はげまされたような気分に、勝手になった。もうひとつはげまされたのが、サンクトペテルブルグの市長がかわったときのゲルギエフの言葉だ。
 「わが国の首相が赤でも緑でも黄色でもかまいません。彼の政治色など一向に意に介しません。「彼はそんなによい人ではないから、うまくやっていけない」とはいえないのです。もし彼が市長あるいは首相であれば、私は彼とうまくやってゆかなければなりません。われわれの未来はそこにかかっているのですから」

コメント

  1. 増田加奈子 より:

    弱点発見

    あー。さてはおじさん下ネタに弱いね??「い、いや・・・・その・・・・・」ウフフ。弱点見つけちゃった!!加奈子の裸見たい??「そ、そんなハレンチなことしちゃダメですよ・・・・」

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